脱法?入党?

国会法109条の2では、比例当選した議員が、選挙時に存在し比例名簿を提出した他党に所属したときには退職者となる、と定めています。

第百九条の二 衆議院の比例代表選出議員が、議員となつた日以後において、当該議員が衆議院名簿登載者(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第八十六条の二第一項に規定する衆議院名簿登載者をいう。以下この項において同じ。)であつた衆議院名簿届出政党等(同条第一項の規定による届出をした政党その他の政治団体をいう。以下この項において同じ。)以外の政党その他の政治団体で、当該議員が選出された選挙における衆議院名簿届出政党等であるもの(当該議員が衆議院名簿登載者であつた衆議院名簿届出政党等(当該衆議院名簿届出政党等に係る合併又は分割(二以上の政党その他の政治団体の設立を目的として一の政党その他の政治団体が解散し、当該二以上の政党その他の政治団体が設立されることをいう。次項において同じ。)が行われた場合における当該合併後に存続する政党その他の政治団体若しくは当該合併により設立された政党その他の政治団体又は当該分割により設立された政党その他の政治団体を含む。)を含む二以上の政党その他の政治団体の合併により当該合併後に存続するものを除く。)に所属する者となつたとき(議員となつた日において所属する者である場合を含む。)は、退職者となる。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/dl-dietlaw.htm#4sho

わかりやすくいうと、比例で当選した議員は、選挙の時に所属した政党に対する票で当選したのだから、他の政党に移籍してはいけませんよ、ということです。

政党が離合集散する際には必ずこの規定がネックになります。国会での活動は「会派」を基本に行うことになりますが、「会派入りはしても無所属のまま」というのは、大抵この規定に引っかかるからです。

現在、衆議院には11の会派があります。

  • 自由民主党(自民)
  • 立憲民主党・無所属フォーラム(立憲)
  • 国民民主党・無所属クラブ(国民)
  • 公明党(公明)
  • 日本共産党(共産)
  • 日本維新の会(維新)
  • 社会保障を立て直す国民会議(社保)
  • 社会民主党・市民連合(社民)
  • 希望の党(希望)
  • 未来日本(未来)
  • 無所属(無)

このうち、政党名のあとに「無所属フォーラム」や「無所属クラブ」とあるのは、政党には入党してないけれども会派に所属している無所属議員がいる、とうことです。

しかし国会法109条の2に書かれた「政党に所属する」とはどういう状況を指すのか、これ以上の規定はありません。国会法を所管する担当部局(衆議院法制局)にも確認をしましたが、そこは「解釈次第」となるようです。

そこで標題の「脱法?入党?」ですが、立憲民主党のホームページを見ていて気付いたことがあります。前回の総選挙で希望の党から出馬し比例当選であったために、本来立憲民主党には所属できない議員が、「役員」として名を連ねているのです。

  • 小川淳也 幹事長特別補佐 
  • 今井雅人 政務調査会長特別補佐 
  • 寺田学 国会対策委員長特別補佐・外務部会長 

大変な重責です。中でも寺田学議員は外務部会長ですから、党の外交政策の責任者、ということです。つまり、政策決定、意思決定にも関わっている、ということです。

※菊田議員は小選挙区で当選との指摘がありました。お詫びして訂正いたします。

通常の感覚であれば、これは「政党に所属している」ととらえるべきでは、と思うのですが、そこは解釈次第。党の役員であっても、「党員でなければよい」のか、「政党助成法に基づく所属(=政党助成金の算出に使われる議員数※)」でなければいいのか、自由な解釈が許されます。

立憲民主党では、役員一覧には載せても、議員情報ページに載せないことで「所属してない」という区別をつけているようです。今回の件で、政党の離合集散の際に大騒ぎしていた「比例当選は他の党に移動できない!」というのは、ほぼ死文に過ぎないことが判明しました。

(※政党助成金の算出に使われる政党助成法の所属議員数は、毎年1月1日に各政党が所属する議員の署名を集めて申告します)